受講概要
プログラム
1.シール技術の概要
~様々なシール部品の概要と特徴~
1.1シールとは
1.2運動用&固定用シール
1.3使用例
1.4シールの分類
1.5各種シール剤とその特徴
2.シール用ゴム材料の特徴と適用
~ゴム材料の基礎と品質に関わる概要を解説~
2.1ゴムの種類
2.2ゴムの分類と種類
2.3ゴム材料の基礎
1)高分子材料とゴムの関係
(1)高分子材料とは
(2)分子鎖とゴムの性状
(3)ゴムとして使える高分子物質
(4)温度が上がると変化する性質
2)架橋操作
(1)架橋とは
(2)架橋の形態(硫黄加硫、過酸化物加硫、付加加硫)
3)ゴム弾性の様子
2.4 ゴム材料の劣化
2.5 ゴム材料のトラブル
1)安定したゴム分子とは
2)ゴムの熱・酸化・光による劣化対策
3)ゴムの寒さ対策
4)ゴムの耐水・耐油対策 等
2.6 ゴム製品の製造事例
2.7 熱可塑性エラストマー
3.接着剤のシールへの適用(液状ガスケット)
~フランジ面の表面粗度に影響されず、高い密封性を要求する場合に適用される液状ガスケットを選択する際に必要とする密着性について解説~
3.1液状ガスケットとは
3.2接着剤のシール剤への適用例
1)概要
2)液状ガスケットの形態
3)密着力とは(機械的接合、物理的相互作用)
3.3液状ガスケットのメリットと課題
3.4適応例
1)液状ガスケットの事例
2)発泡フォーム型/UV硬化型液状ガスケットの製法
3)フランジの面粗さと締め付け力
4)用途
4.運動用シールに関連したトライボロジーの基礎
~摺動面で発生する摩擦や摩耗、異音に関する基礎知識を解説~
4.1摩擦とシールの関係
4.2潤滑の形態と摩擦
4.3シールに与えるトライボロジーの影響
1)摩擦の発生原因
2)アモントン/クーロンの摩擦の法則
3)摩擦のメカニズム
4)潤滑油が介在した場合の状態
5)摩擦と摩耗の関係
6)異音について(スティック&スリップ)
5.シールと腐食の関係
~シール材と接触部材間の隙間や異種材料の接触が腐食に与える影響を解説する~
5.1シールと腐食の関係
5.2腐食と防錆
1)腐食の概要(分類、金属腐食のプロセス)
2)隙間腐食
3)異種金属接触腐食(電食のメカニズム、電食の防止・抑制)
5.3電食の事例
6.各種シール部品の概要と密封原理および用途・取り扱い
~代表的なシール部品の基礎と信頼性を確保するための取扱いを解説する~
6.1メタル/ゴムガスケット
1)概要
2)ガスケットの役割と必要な要件(役割、必要条件、種類と適用例、ガスケットの漏洩形態)
3)用途例―エンジンヘッドガスケット(必要機能、メタル積層型シリンダ/ヘッドガスケットの特徴、燃焼圧上昇に関するガス漏れ事例)
4)ガスケットの設計(ガスケットの選定、ガスケット寸法の設定、フランジのガスケットの座、Oリング用溝部形状の選定、締付け条件の設定)
6.2オイルシール
1)オイルシールとは
2)構造と機能
3)オイルシールの特徴と用途
4)種類
5)シールの原理(リップの締付け力とは、シール原理、潤滑原理) 6)新しいリップシール
6)オイルシールの摩擦トルク
7)オイルシールの設計(オイルシールの選定、ゴム材質の選定、軸部の設計)
8)オイルシールの寿命
9)留意点
10)オイルシールの取扱い(装着時、保管時)
6.3 Oリング(固定用、運動用)
1)Oリングの選定方法
2)Oリングの密閉原理(基本原理、セルフシール作用)
3)Oリングの設計特性(設計特性の算出法、圧縮率、つぶし代と圧縮永久歪)
4)溝部の剛性影響
5)Oリング材料に要求される性質(基本性能、材料の特徴、溝部の表面粗さ、Oリングの表面処理、ガスケットの取り扱い方法)
6)ゴム材料の寿命評価
7)Oリングの破損事例
6.4 メカニカルシール
1)メカニカルシールとは
2)適用機器
3)基本構造
4)メカニカルシールの原理(シールの基本、メカニズム-2層流説、表面張力説、ポンピング作用説)
5)メカニカルシールの形式(種類、バランス形とアンバランス形)
6)メカニカルシールの選定(選定手順、圧力バランスと組合せの選定、ばねの構造と位置の選定、主な材料構成)
6.5 特殊シール
1)ラビリンスシール
2)磁性流体シール
7.故障と対策
7.1 オイルシールの漏れ原因と対策
7.2 往復動用リップパッキンの漏れの要因
質疑・応答
受講形式
会場・WEB
オンラインでご参加の方は、事前にこちらでZoomの接続環境をご確認ください。
スムーズな受講のため、カメラ・マイク・スピーカーの動作をご確認ください。
受講対象
シール技術に関心のある方ならどなたでも受講できます。
予備知識
特に必要ありません。
習得知識
1)シール技術全般の基礎知識の習得
2)シール部材の劣化メカニズムとその対応知識の習得
3)シールに関係する要素技術の習得
講師の言葉
自動車部品を初めとして多くの機械部品には、様々なシール部品が用いられている。
このシール部品には各種流体(ex.潤滑油)の密封性や長寿命化、および運動用シール(ex.オイルシール、Oリング)において、品質向上のため低摩擦・低摩耗性、低騒音が要求されている。
シール部品自体は安価なモノが多いが、シール部品の品質問題が発生すると、流体漏れという製品として致命的なトラブルを引き起こしてしまう。とかく、技術者の皆様がシール部品を選択する際、シール構造のみを考慮する傾向がありますが、良いシール部品の設計には、使用材料や関連する要素技術(ex.密着性、トライボロジー、腐食等)に関わる基礎知識の習得が重要となります。
今回の研修の狙いは、代表的なシール部品の基礎知識だけではなく、シール品質に関わる
要素技術まで学ぶことの重要さを理解していただくことにあります。
受講者の声
受講者の知識、知りたいことをヒアリングしながら進めていただいたのでとてもよかったです。講師の解説もとても分かりやすく満足でした。
今までアバウトなシールに関する知識しか持っていなかったが、より深く理解することができた。
基本的な所、参加者のニーズに合わせて丁寧な対応をしてくれた。シールの基本的な技術が重要なことを改めて理解した。
演習での実践が多く、わかりやすかった。
オンラインで受講しましたが質問もでき、有意義な内容でした。