受講概要
1.PIC/S GMP、改正GMP省令、GMP事例集(2022年版)と 供給者管理について
1.1 PIC/S GMPおよび改正GMP省令における原材料等の供給者管理
1.2 事例集などによる供給者管理のポイント
1.3 原薬GMPガイドおよび医薬品添加剤GMP自主基準について
1.4 PIC/S GMPの一般規定およびAnnex8「出発原料と包装材料のサンプリング」内容
1.5 GMPにおける製品品質照査ならびに事例集内容(検体採取)
1.6 品質スクマネジメントと製剤化における原料粉体の確認試験の重要性
2. 分析法バリデーションによる 原料受入確認試験とその要点 (受入試験の基礎)
2.1 分析法バリデーションの概要
2.2 分析能パラメータ(併行精度、室内再現精度、空間再現精度)の説明
2.3 ラマンシフト値、バンドの化学的帰属
2.4 原料粉体のサンプリングおよびバリデーション
2.5 分析能パラメータに基づく具体的な受入確認試験方法とその結果
2.6 受入確認試験のためのスペクトル解析(スペクトルのt-検定など)
2.7 特異性に基づく受入確認試験結果(携帯型ラマン分光法装置)
3.ラマン分光法および 近赤外分光法による全数受入確認試験(全梱包の同一性確認)の実践
3.1 振動分光法の特徴。非破壊・非接触・迅速測定
3.2 PIC/S GMP Annex8におけるサンプリング、ならびに一般的なサンプリング基準
3.3 全数受入確認試験のための包装材料の種類および内包装材料厚みの検討・確認
3.4 主薬、賦形剤、結合剤、無機の添加剤、健康食品粉体(天然由来原料)の受入確認試験の実践
3.5 原料製造会社および産地の違いによる受入確認試験は可能
3.6 製薬会社の原料受入確認試験例(ラマン分光法、近赤外分光法)
3.7 受入確認試験装置の最近の傾向(励起波長1030nm、1064nm)
4.全数受入確認試験の免除規定 ならびに試験の省略
4.1 PIC/S-GMP Annex8の内容再確認(免除要件・確認試験の回避)
4.2 海外の確認試験の回避の考え(PIC/S-GMP)
4.3 PMDAからの指摘
4.4 大阪府からの指摘
5.実験計画法・DSならびにPAT技術とリスク低減・製品品質の最大化
5.1 ICH Qトリオの再確認ならびQbDアプローチの重要性
5.2 ラマンイメージングによる主薬・賦形剤の分散状態の可視化と含量評価
5.3 マイクロODと普通OD錠の最適化およびデザインスペース(DS)
5.4 QbD(実験計画法・DS)に基づく製品品質に優れた二層OD錠の設計とその評価
5.5 撹拌造粒におけるIn-lineリアルタイム計測と終点決定、ならびに顆粒品質
5.6 錠剤全数の主薬含量に注目したIn-lineリアルタイム測定による品質確保
6.乾式造粒法および直接打錠法によるリスク低減・製品価値の最大化
6.1 乾式造粒法を用いた服薬アドヒアランス向上のための製剤設計
6.2 QbDに基づく乾式造粒法による高含量製剤設計とその評価
6.3 医薬品のオンデマンド生産に注目した直打連続生産システムおよびOD錠の品質
7.製剤化工程のシミユレーションとリスク低減・製品価値の最大化
7.1 高速撹拌型造粒機の粒子群の運動状態と仕込み量の最適化
7.2 高速撹拌型混合機における混合・分離状態の可視化とその実験的検証
7.3 ワースター流動層の粒子の運動状態ならびに微粒子コーテイングの評価
まとめ
まとめ
質疑・応答
受講形式
WEB受講のみ
※本セミナーは、Zoomシステムを利用したオンライン配信となります。
オンラインでご参加の方は、事前にこちらでZoomの接続環境をご確認ください。
スムーズな受講のため、カメラ・マイク・スピーカーの動作をご確認ください。
受講対象
1)製薬企業の製剤研究者・開発担当者
2)製造技術者・プロセス開発担当者
3)品質保証・品質管理担当者
4)CMC(Chemistry, Manufacturing and Controls)担当者
5)医薬品開発に携わるアカデミアの研究者
6)ジェネリック医薬品およびOTC薬メーカーの技術者
予備知識
・PIC/S-GMPガイドライン、改正GMP省令
・ICH Qトリオ
・振動分光法(近赤外分光法、ラマン分光法)
・実験計画法、PAT技術
習得知識
1)改正GMP省令および2022年版GMP事例集と供給者管理
2)PIC/S-GMPガイドラインならびに原料受入試験の分析法バリデーション
3)ラマン分光法および近赤外分光法による多種類の原料粉体の受入試験結果
4)製剤化におけるリスク低減および製品品質の最大化の情報
5)Quality by Designによる製品設計および工程設計の科学的理解
6)製剤工程のリアルタイム測定・計測による品質管理の具体的な取組 など
講師の言葉
近年、医薬品製造においてGMP違反が原因となる業務停止命令や業務改善命令が発生しており、これにより医薬品の供給不足が大きな社会問題となっている。今後、製薬企業はGMPを厳守し、品質、有効性、安全性を確保するとともに、信頼性の向上に取り組むことが不可欠です。
また、医薬品の原材料の多くをアジア地域に依存している現状を踏まえ、供給者の適正な管理を通じて医薬品の品質を確保することが重要です。さらにQbDアプローチを活用し、製剤設計や工程設計に積極的に取り組むことが求められている。
本セミナーでは、まずPIC/S GMP、改正GMP省令、GMP事例集と供給者管理に注目し解説する。次にPIC/S GMP Annex8 おいて重要な原料粉体の全数受入確認試験(全梱包の同一性確認)に対して、サンプリング方法を考慮した分析法バリデーションについて具体的に述べる。また多くの医薬品原料粉体の受入確認試験をラマン分光法および近赤外分光法により実践した詳細な測定データを紹介します。最後に全数受入確認試験を免除する規定などについても説明する。
次に最近注目されている製剤化におけるリスク低減と製品品質の最大化について、QbDアプローチした成果について述べます。ICH Qトリオと製剤設計について概説し、QbDの骨子である実験計画法とデザインスペース(DS)ならびにPAT技術に基づいた製剤設計結果を紹介する。
更にコスト低減と国際化に向けた乾式造粒法および連続直打法に注目した製剤設計とその評価について説明する。シミュレーションによる製剤工程の最適化にも触れたい。