受講概要
プログラム
1. 医薬品原薬の不純物に関する化学的及び安全性の評価及び管理方法のポイント
1.1 原薬の不純物ガイドラインについて
1.2 不純物の分類
1.3 不純物の根拠となるデータの記載:有機不純物、無機不純物、残留溶媒
1.4 分析法
1.5 ロット中の不純物の報告
1.6 規格に設定すべき不純物
1.7 不純物の安全性の確認:閾値、構造決定・安全性確認と報告、及びフローチャート
1.8 原薬の不純物プロファイルの同等性評価とは(開発段階~商業生産段階)
1.9 BACPAC Ⅰに示された不純物管理について
1.10 変更管理時の原薬の不純物プロファイル評価項目とは
1.11 グラクソ・スミスクライン社のザンタック(ラニチジン製剤)原薬から
発がん性物質N-ニトロソジメチルアミン(NDMA)の検出
1.12 ニトロソアミン類の評価と背景となるICH Q3A,Q3BやICH M7の基本知識
1.13 ニトロソアミン類混入へのリスク評価と高感度分析法について
2.医薬品の残留溶媒ガイドラインについて
2.1 残留溶媒ガイドラインについて
2.2 ガイドラインの適用範囲
2.3 一般原則:クラス1、2、3の溶媒
2.4 残留溶媒の限度値
2.5 ICH Q3CR、Q3C(R6)について
2.6 第十七改正日本薬局方(日局17)、原薬中のクラス別の残留溶媒管理について
3.日局17の医薬品残留溶媒の管理について(平成27年11月厚労省通知)
3.1 残留溶媒の管理について
3.2 一般的な留意事項
3.3 残留溶媒管理に関する基本的な考え方:クラス1、2、3溶媒夫々と濃度限度
3.4 残留溶媒Q&Aについて
4.医薬品の元素不純物ガイドラインについて(ICH Q3D)
4.1 ICH Q3D(金属不純物)の規制の動向
4.2 元素不純物の安全性評価、元素の分類
4.3 元素不純物のリスク評価とリスク低減
(元素不純物の管理とリスク低減)
4.4 PDE 値から濃度限度値の換算、分析方法
4.5 ライフサイクルマネジメント
4.6 最近の金属不純物の分析技術
4.7 日本薬局方へのICH Q3Dの取込み
・第十八改正日本薬局方と最近の日本薬局方関連の動向について
・ICH Q3Dの取込みについて
・第十八改正日本薬局方の「元素不純物」試験の概要
5.潜在的発がんリスクを低減するための医薬品中DNA反応性(変異原性)不純物の評価及び管理ガイドラインについて(ICH M7)
5.1 ガイドラインの適用範囲、一般原則、ICH Q3Aとの関係
5.2 市販製品に対する検討事項
5.3 原薬及び製剤中の不純物に関する評価
5.4 ハザード評価の要件とは
5.5 リスクの特性解析(リスク低減の方法)
5.6 管理戦略
5.7 ドキュメンテーション(臨床開発段階~承認申請)
5.8 規制当局への申請方法とCTD記載時の留意点
1)「2.3.S.3.2不純物」への記載例
2)サクラミル原薬Sモックについて
3)変異原性不純物の管理戦略及び規格の設定及び妥当性等
6.不純物の適合性証明書申請(CEP)における問題点と対応
7.不純物ガイドライン相互の関連とまとめ
8. ICH Q11 における原薬出発物質の選定/妥当性/CQA・CPP設定
8.0 ICH-Q11原薬の開発と製造ガイドライン(1~6)の解説
8.1 はじめに
8.2 適用範囲
8.3 製造工程の開発の経緯(QRM、QTPP,CQA)
8.4 製造方法及びプロセズコントロール
8.5 出発物質及び生物起源原材料の選定
8.6 管理戦略
8.7 プロセス・バリデーション/プロセス評価
8.8 CTD様式での製造工程開発情報及び関連情報の提出
8.9 ライフサイクルマネジメント
9 まとめ
(一部、内容変更の場合あり)
受講形式
WEB受講のみ
※本セミナーは、Zoomシステムを利用したオンライン配信となります。
オンラインでご参加の方は、事前にこちらでZoomの接続環境をご確認ください。
スムーズな受講のため、カメラ・マイク・スピーカーの動作をご確認ください。
受講対象
医薬品製造所GMP製造販売業GQP部門、品質保証部門、QC部門、原薬取扱い製造業者、
原材料購買部門、SCM部門、CMC部門、生産技術部門、機械・エンジニアリング部門 など
予備知識
ICH Q3A,B,C,D,Q7,Q8,Q9,Q10,Q11,Q12,M7、薬機法、GMP省令(JGMP)及び改正GMP省令、
GMP省令施行通知、GMP事例集(2022年版)、PIC/S GMP,cGMP、OOSガイダンス(2022年FDA)などあれば理解が進みます。
習得知識
1)医薬品不純物(有機不純物、無機不純物、残留溶媒)化学的及び安全性の評価
2)医薬品原薬中の不純物及び不純物管理を知る(ICH Q3A,Q3C)
3)不純物の分析法及び分析法バリデーションを学ぶ
4)規格に設定すべき不純物と、不純物の構造決定と安全性について知る
5)残留溶媒の一日許容摂取量(PDE)を学ぶ
6)ICH M7やICH Q3Dの基本知識、及びCTD記載時の留意点を知る
7)ICH Q11 における原薬出発物質の選定/妥当性/CQA・CPP設定
8)ニトロソアミン類のリスク評価 など
講師の言葉
医薬品中の不純物については、大別して有機不純物、無機不純物、残留溶媒の3区分から構成され、各々が化学的及び安全性の2つの側面から評価・管理されることが重要である。そのために先ずは最も基本となるICH Q3A、Bガイドラインに示された原薬、製
剤中の不純物評価と管理方法、及び原薬中残留溶媒ガイドラインICH Q3C (日局17)に沿って説明する。一方、原薬中の不純物については、出発物質や製造方法等に変更(合成ルート、試薬・副原料、工程条件等)がある場合には、これまでの有機・無機不純物や残留溶媒だけの評価ではなく、「元素不純物ガイドライン」(ICH Q3D、日局18)や「変異原性不純物ガイドライン」(ICH M7)で新たに示された、毒性の強い不純物評価が管理対象となる。今回はこれら4つのガイドラインについての個々の説明や相互の関連、及び不純物混入のリスク解析について事例を交え紹介する。
また最近のICH Q3D規制動向、及び世界的に大問題となっているニトロソアミン類の管理及びリスク評価、及び予防対措置を最近の話題を踏まえ紹介する。更に様々なICHの不純物規制から、原薬の出発物質をどのように設定・管理すべきか、又出発物質の選定/妥当性/CQA・CPP設定等々のポイントについても、ICH Q11ガイドラインに示された管理戦略等についても解説する。
受講者の声
ICHガイドラインの基本的なところから、実践的な考え方まで、幅広く学ぶことが出来ました。
既存のガイドラインの内容を時間をかけて詳細に説明いただいたので、ガイドラインの内容を全体的に把握でき、ポイントもよく分かった。
事例もあり理解しやすかったです。
実務に役立つ内容だった。ガイドラインで明文化されている情報より更に深い情報があればより良かった。