受講概要
プログラム
1.FMEAの目的と構成
1-1 FMAEの目的と構成
①FMEAの構成と検討項目
②FMEAのフォーマット(設計FMEA/工程FMEA)
③故障・故障モード・故障の影響
1-2 FMEAの変遷
①MIL-STD-1629Aの制定
②QS-9000発表とPotential FMEA要求拡大
③TS 16949実践ガイド制定
④IEC 60812 第2版制定
1-3 FMEAの分類
機能FMEA/プロセスFMEA/構想FMEA/システムFMEA/設計FMEA/工程FMEA/使用FMEAなど各種目的に応じた実施方法
2.FMEAの実施手順と各段階・項目の評価法
2-1 FMEAの実施準備
①チーム編成
②必要情報(過去のトラブル事例、他社のトラブル事例、過去のFMEA実施資料、故障モード分類、ストレス―故障モード表、製造作業エラーモードなど)
2-2 設計FMEAの実施手順
2-3 工程FMEAの実施手順
2-4 故障モード抽出のコツ
①機能の細分化<設計FMEA>
②工程の細分化<工程FMEA>
③図面寸法機能からの導出(寸法変化に伴う機能損失)<設計FMEA>
④キーワードからの類推(キーワード+機能、HAZOP誘導語、製造エラーモード)
⑤過去の知見や経験則(生成AIを活用してみる)
⑥故障モードの分類(故障の性質/発生部位/発生状況)
2-5 故障の原因分析と故障の影響の評価
①FTA:ツリー構造での原因探索<設計FMEA>
②動作分析<工程FMEA>
③信頼性ブロック図の利用
2-6 評価点の考え方とつけ方(ISO/TS 16949、QS 9000)
①発生度・致命度・検出度の具体的な算出・判定方法・算出例
②重要度PRNの見積もり
2-7 評価点改善結果のフィードバック
3.図面情報から故障モードを予測するコツ
3-1 各寸法の機能を明確にする
・直径・長さ・板厚・面取りなど機能を理解
3-2 寸法変化による機能損失(機能損失が故障モードに)
・経年変化などによる寸法の変更
3-3 故障リスクの特定による設計変更
4.設計FMEAの演習
・部品名展開・部品の機能・故障モードの抽出・故障の原因抽出・故障の影響抽出・評価点記入の一覧の流れを体得します。
・発生度(Occurrence)、致命度(Severity)、検出度(Detection)の各評価点について、それぞれのランク(10段階)に対する具体的な基準を、設計FMEAと工程FMEAそれぞれについて理解します。危険優先数(RPN)算出例への理解を深めます。
5.質疑応答・まとめ
受講形式
会場・WEB
オンラインでご参加の方は、事前にこちらでZoomの接続環境をご確認ください。
スムーズな受講のため、カメラ・マイク・スピーカーの動作をご確認ください。
受講対象
製品設計や開発の実務を行っている初心者から中堅の技術者。
予備知識
機械工学の基礎があれば理解が進みます。
習得知識
1)設計FMEAと工程FMEAに関する基礎知識
2)実施手順
3)各段階・項目の評価法
4)故障モードを予測するコツ
5)設計FMEAと工程FMEAの具体的な作り方
講師の言葉
図面は、製品と工程を理解し、潜在的な故障モード、その原因および影響を具体的に特定するための不可欠な情報源です。特に設計FMEAでは、図面上の形状および寸法・公差が有する機能に着目することで、見逃しがちな故障モードと故障原因を網羅的に洗い出すことができます。また、図面上の各寸法および公差で表現された機能に着目することで、これらを変更した際の製品機能および工程の変化や発生するリスク、すなわち故障モードを的確に導き出すことができます。
過去の事故例や故障例は「寸法不適」が故障モードの大半を占めるとされており、本講座では図面情報を有効活用した設計FMEA/工程FMEAの具体的な進め方を解説します。
故障モードの抽出や故障モードおよび原因に対する評価点(発生度・致命度・検出度)の付け方など、対象となる部品の形状や構造が考慮しながらの実施方法を紹介。事例と演習を通じて、製品機能の低下やリスクにつながる故障を予測し、信頼性と安全性を向上させる手法と、製品を部品や工程に展開し、各部品・各工程に対して項目を推定・検証する手法を習得いただきます。
さらには、皆さんがFMEAで悩みがちな評価点の付け方および評価方法を、具体的な数値と根拠ともに解説します。試験結果や設計標準、管理方法などをもとに評価点をつける手法が掴め、評価の妥当性を格段に向上できます。