受講概要
プログラム
1.背景
海外ではんだペーストを生産することも多く、予め劣化した状態で、はんだの性能を見極める
必要があります。今回は、はんだボール対策とハロゲンフリー対策にターゲットを絞った紹介
2.はんだペースト基礎性能評価
①銅板
②銅板+ガラス板
③はんだ凝集性
④はんだと銅板を両側から挟み込んだぬれ性
⑤判定基準
3.部品実装評価
(ア)はんだボール発生量
(イ)連続印刷性(体積率測定)
(ウ)部品実装によるはんだ潰れ
(エ)ぬれ性
(オ)はんだ負荷後のはんだ印刷性
(カ)ボイド発生量
4.負荷条件での各メーカー毎での結果
(ア)高温槽保管
(イ)ローリング試験での結果
5.見解
(ア)はんだボール対策
・ペーストに含まれるフラックス(アビエチン酸)とペーストとの相性がよいこと。
・ペースト中に含まれる活性剤の含有比率が高い方が良い。
(イ)ハロゲンフリー対策
・ハライドタイプ:レジンではなく ロジンタイプ
・ハライド含有料:0.05%以下
・活性剤の含有比率が高いこと。
6.考察
(ウ)はんだボールの発生要因
(エ)はんだ負荷時の粘度測定
7.信頼性評価試験での検証
(ア)耐マイグレーション
(イ)ウイスカ
(ウ)銅板腐食試験
(エ)現在の温度プロファイルでのはんだ付け確認
8.選定したペーストと従来ペーストの違い
質疑・応答
受講形式
会場・WEB
オンラインでご参加の方は、事前にこちらでZoomの接続環境をご確認ください。
スムーズな受講のため、カメラ・マイク・スピーカーの動作をご確認ください。
受講対象
表面実装工程を有するラインで生産する工場スタッフ
リフローはんだ付け工程で、はんだ不良対策に苦労されている方
表面実装工程での品質保証、信頼性評価を実施されている方 など
予備知識
はんだ付けとは何か
金属間化合物、熱-フラックス-はんだ、又フラックスー母材―はんだの関係を理解されているとよい
習得知識
1)はんだペースト選定にあたってどのような試験を行えばよいか
2)はんだペースト基礎性能評価
3)はんだの連続印刷時、その後は、ペーストの粘度が比較的変化し易いこと
4)負荷条件での各メーカー毎での結果
5)目的によって、予め準備するペーストの材料は大きく異なること など
講師の言葉
ソルダーペーストは、時代が要求する仕様に応じた性能が求められます。例えば、過去を遡れば、ペーストに含まれるフラックスの無洗浄化、高密度実装に伴うペーストの粒径の変更と高精度化鉛フリー対応、ハロゲンフリー対応etc枚挙にいとまがありません。私は、最近、はんだペーストの切替えを行い、顧客から承認を頂きました。
目的は、懸案となっていた はんだボール対策とハロゲンフリー対策でしたが、内容は、ペースト性能試験と部品実装後の評価試験に大別されます。前者ははんだに負荷を与える為、35℃、50%で15hrローリングした後の連続印刷性と粘度変化、銅板加熱によるはんだ広がりテスト、コネクタの回路パターンを想定したはんだ凝集性テスト、後者は、各部位別の体積率、はんだのだれ、はんだボールの発生、マイグレーションやウイスカーの有無の確認を行い結果、ペーストのメーカーによって特徴があることが判りました。
最終的には、ペーストに含まれる活性剤の含有率の高いペーストを採択し、現在の量産に至っています。ハロゲンフリーでは、ハライドタイプで、レジンではなく、ロジンタイプ、ハライド含有量:0.05%以下を選定しました。ペーストの選定は、会社様の目的によって異なりますが、ペーストの選定を行うにあたって、どのような試験を行えば良いのか、その結果から何が言えるのか 皆様が抱えるペースト選定の一助になれば幸いです。
受講者の声
はんだペーストは時間経過で劣化していきますが、メーカー保証に則って捨ててしまうとロスがかなり大きいので、どこまで使えるかを確認するための評価手法やいくつかのメーカーの実際の評価結果を見せて頂けたのがとても参考になりました。
方法と事例との紹介において、何度か繰り返しの説明となったので、理解が進みました。
動画をつかっていただいた解説で分かりやすかった。
対面受講でき理解が深まりました。質問にも詳しく回答いただき助かりました。