受講概要
プログラム
1.ガラスの基礎知識
1-1. ガラスの基本特性と構造の特徴
1-2. 製造プロセスと組成設計の基礎
1-3. ガラス破壊のメカニズム概観
2.ガラスの「傷つきやすさ」を理解する
2-1. 応力とひずみの基礎
2-2. 弾性変形とたわみやすさ
2-3. 塑性変形とキズつきやすさ
2-4. 傷つき難さの評価手法
3.応力集中と破壊のメカニズム
3-1. ガラス内部に潜む応力と残留歪み
3-2. き裂発生への耐性とクラックの成長
3-3. 応力集中がもたらす破壊の要因
3-4. クラック生成・伸長のダイナミクス
3-5. 環境因子(水分・温度)が与える影響
3-6. ガラス破壊の評価法
4.破面観察による破壊解析
4-1. 破面形態から読み取れる情報
4-2. 破壊起点と進展経路の推定
5.ガラスの強化技術
5-1. 強化の基本原理
5-2. 物理強化法(熱強化)
5-3. 化学強化法(イオン交換)
5-4. 強化効果の評価と限界
6.破壊を抑制する材料設計
6-1. 組成設計による強靭化アプローチ
6-2. ガラス構造設計によるアプローチ
6-3. 微細構造制御:粒子分散・相分離・結晶化
7.まとめと今後の展望
Q&A
受講形式
WEB受講のみ
※本セミナーは、Zoomシステム利用によるオンライン配信となります。
オンラインでご参加の方は、事前にこちらでZoomの接続環境をご確認ください。
スムーズな受講のため、カメラ・マイク・スピーカーの動作をご確認ください。
受講対象
製造業の研究開発・製造・品質管理部門などでガラスやセラミックスに関わる新人~中堅技術者
予備知識
特に予備知識は必要ありません
習得知識
1)ガラスの性質と構造の基礎
2)ガラスがなぜ、どのように割れるのかの理解
3)機械的特性の評価法の基礎
4)破損にかかわる諸問題への考え方・解決のヒント
5)ガラスの強度などを向上させる考え方
講師の言葉
ガラス材料は、窓ガラスやディスプレイカバー、電子デバイスの基板など、幅広い製品に利用される産業の基盤材料です。その一方で、わずかな傷や応力集中によって容易に破損するという脆さを持ち、この「壊れやすさ」は製造や製品設計における大きな課題となっています。
本講座では、こうしたガラスの破損・損傷メカニズムを理解し、割れにくく信頼性の高いガラスを実現するための基礎理論と応用技術を体系的に学びます。内容は、ガラスの構造・製造プロセスの基礎から始まり、「強度」「硬さ」「ひずみ」「破壊」といった力学的概念を平易に整理します。
続いて、クラックの発生や進展、環境要因(水分・温度など)が破壊に及ぼす影響を具体的な事例とともに解説し、破面観察による原因解析の手法にも触れます。
さらに、物理強化・化学強化、組成や微細構造の制御による強靭化技術など、現場に応用可能な設計アプローチや最新の研究動向を紹介します。研究・開発・製造に携わる新人から中堅技術者までを対象に、ガラスの「割れ」を科学的に捉え、より安全で高性能な材料設計へとつなげる実践的な視点を養うことを目指します。