受講概要
プログラム
1章 耐熱材料の寿命評価の従来法の問題点
1.1 概要
1.2 クリープ損傷評価
1.2.1 寿命評価に用いられる従来法
1.2.2 従来法の問題点と新しい手法
1.3 疲労、クリープ疲労損傷評価
1.3.1 寿命評価に用いられる従来法
1.3.2 従来法の問題点と新しい手法
2章 クリープ損傷評価法の開発
2.1 概要
2.2 ミニチュア・サンプリング法
2.3 ミニチュア試験片作製法
2.4 Ar雰囲気中のミニチュア・クリープ破断試験機の開発
2.4.1 ミニチュア・クリープ試験機の開発
2.4.2 クリープ破断試験結果
2.5 Iso-stress法による寿命予測
2.5.1 2.25Cr-1Mo鋼の評価
(1) 温度加速試験結果
① Iso-stress法の直線性
② Iso-stress法の外挿精度
(2) 組織変化
(3) 破壊機構の変化
(4) 粒界酸化の影響
(5) 破断伸びおよび硬さの変化
2.5.2 18Cr-8Ni鋼の評価
(1) 温度加速試験結果
① Iso-stress法の直線性
② Iso-stress法の外挿精度
(2) 組織変化
(3) 破壊機構の変化
(4) 粒界酸化の影響
(5) 破断伸びおよび硬さの変化
3章 疲労、クリープ疲労損傷評価法の開発
3.1 概要
3.2 データの解析によるDiercksの実験式の寿命評価
3.2.1 試験方法
3.2.2 疲労、クリープ疲労試験結果
3.2.3 線形累積損傷則による評価
3.2.4 ひずみ範囲分割法による評価
3.2.5 データの解析によるDiercksの実験式の寿命評価
(1) 18Cr-8Ni鋼との比較による疲労強度の補正
(2) 18Cr-8Ni鋼との比較によるクリープ破断強度の補正
(3) 疲労、クリープ疲労の寿命予測精度向上
4章 評価法の実部材への適用
4.1 概要
4.2 ボイラ部材のクリープ破断寿命評価
4.2.1 寿命評価位置の選定および試料採取
4.2.2 厚肉部材の評価
(1)母材の評価
(2)溶接熱影響部の評価
(3)ミニチュア・クリープ試験法と非破壊的手法による評価結果の比較
4.3 原子力部材のクリープ疲労寿命評価
4.3.1 高速増殖炉上記発生器部材への適用
(1)母材の評価
(2) 溶接部の評価
質疑・応答
受講形式
会場・WEB
オンラインでご参加の方は、事前にこちらでZoomの接続環境をご確認ください。
スムーズな受講のため、カメラ・マイク・スピーカーの動作をご確認ください。
受講対象
高温機器製造メーカで設計、製造業に携わる技術者
予備知識
特に必要ありません。
習得知識
1)ボイラ部材のクリープ損傷部、疲労損傷部およびクリープ疲労損傷部で適用される各種寿命評価法
2)部材のクリープ損傷部・疲労損傷部およびクリープ疲労損傷部の各種寿命評価法
3)クリープ損傷評価、疲労損傷評価およびクリープ疲労損傷評価
4)本評価法を火力発電ボイラと原子力発電の実部材へ実際に適用した例
講師の言葉
我が国の現在の電源構成は、水力20%、原子力20%に対して、火力が60%を占めている。地球環境問題に対応していくため、将来的には原子力発電に依存する割合が次第に増加していくと考えられるが、当面は火力発電が電力供給の半分程度を分担すると考えられる。火力発電は、電力の安定供給に今後とも重要な役割を果たすことになる。
しかし、その設備の多くは数十年以上前に建設されており、設備の経年劣化が進行している。こういう状況の下で、経年劣化が進み古くなった火力発電の余寿命推定は重要な課題となっている。火力発電の高温機器では、現状はボイラ等のクリープ損傷部に破壊的手法が適用できないため、クリープ損傷部は非破壊的手法によって寿命評価され、更に頻繁な起動・停止による付加変動も伴うクリープ疲労損傷部は主に応力的解析手法により寿命評価が行われている。
本セミナーでは、先ず、火力発電の高温機器に用いられている耐熱材料において、ボイラ部材のクリープ損傷部、疲労損傷部およびクリープ疲労損傷部について従来適用される各種寿命評価法の特徴と問題点を分かりやすく説明する。次に、我々が開発した新しい手法を用いたクリープ損傷評価、疲労損傷評価およびクリープ疲労損傷評価の内容を紹介する。更に、本評価法を火力発電ボイラと原子力発電の実部材へ実際に適用した例も紹介する。本セミナーは高温機器製造メーカで、設計・製造に携わる技術者に大いに役立つと考える。