受講概要
プログラム
1 CAE解析の目的
1-1 材料の降伏,材料の破断,金属疲労,振動対策,機械の性能向上
2 CAE解析(有限要素法)初心者のための基本的な情報
2-1 CAE解析ソフト(フリーソフト) LISA の使い方
2-2 CAEソフトに設定すべき情報(どのCAEソフトも設定すべき情報は同じ)
2-3 有限要素法プログラムに関する最小限の知識
3 材料力学
3-1 応力の種類
3-2 降伏応力,引張強さ,真破断力,疲労強度
3-3 弾性係数(ヤング率)とポアソン比
3-4 ミゼス相当応力とその用途
3-5 練習問題 ミゼス相当応力
3-6 主応力とその用途
3-7 練習問題 ボルトに作用する主応力の計算
4 CAE解析ソフトを間違わずに活用するための知識
4-1 CAE解析ソフトの落とし穴
4-2 1次要素・2次要素と解析精度の関係
4-3 メッシュスタディ
4-4 応力特異点
4-5 弾性力学の理論解とCAE解析ソフトの解は一致する。
4-6 接触要素
4-7 オーダーエスティメーション
4-8 簡易的なオーダーエスティメーションの方法
5 CAE解析ソフトを使った強度計算法
5-1 材料の破壊基準
5-2 金属疲労
5-3 疲労強度計算の重要性(対策コストが2桁違う。)
5-4 CAE解析ソフトを使った金属疲労の有無の予測方法
5-5 練習問題 疲労破断の有無の予測
5-6 応力集中がある場合の疲労破断の予測法
5-7 応力集中係数αと切欠係数β
5-8 公称応力と真応力
5-9 練習問題 応力集中がある場合の疲労破断の予測法
6 安全率
6-1 アンウィンによる安全率
6-2 昔ながらの安全率と現代の安全率
7 設計最適化
7-1 トポロジ最適化
7-2 トポロジ最適化ソフト(10万円)のデモンストレーション
7-3 形状最適化
付録
8 CAE解析ソフトは強度計算のためだけではない
8-1 振動対策が必要になる場面
8-2 機械の性能向上
8-3 CAE解析を活用した液晶シール塗布装置の振動低減事例
質疑・応答
受講形式
会場・WEB
オンラインでご参加の方は、事前にこちらでZoomの接続環境をご確認ください。
スムーズな受講のため、カメラ・マイク・スピーカーの動作をご確認ください。
受講対象
業種:ものづくり産業
所属部署:設計・開発,CAE専任部門
レベル:CAE解析未体験者,CAE解析初心者
予備知識
材料力学の初歩的な知識
3次元CADの初歩的な経験 があれば理解が進みます。
習得知識
1)CAE解析ソフトに入力すべき最小限の情報
2)解析結果の見方
3)ミゼス相当応力,主応力の定義と使分け
4)的外れな解析結果を防止する方法
5)CAE解析ソフトを使った金属疲労の有無の予測方法
講師の言葉
本セミナーではこれからCAE解析を始めようとする方や,CAE解析を始めたけど正しい使い方ができているかや,解析結果の活用方法を知りたい方を対象として,解析事例を織り交ぜながら平易に解説していきます。受講者は様々なCAE解析ソフトを使われていると思いますが,CAE解析ソフトに入力すべき最小限の情報は同じで,これを設定すれば解析が可能です。この最小限の情報をフリーソフトLISAを使って説明します。CAE解析ではミゼス相当応力を表示しますが,ミゼス相当応力の本当の意味とその用途を説明します。また材料力学では主応力を履修されたと思いますが,主応力の解釈と用途を述べます。
次に設計の現場では最大応力と材料の降伏応力(引張強さ)との比(安全率)を求めるだけに留めておられないでしょうか。応力が降伏応力を超えた場合,その問題は開発段階で見つかります。問題は工場出荷後に発生する金属疲労破断です。機械の開発段階でのロスと比較すると金属疲労による損失はその2桁上昇します。
本講座では,CAE解析結果を使った疲労破断予測法と,設計時に使用する安全率について計算例を使いながら説明していきます。最後に設計最適化に触れます。