受講概要
プログラム
1.モータの原理と特性
1.1モータの基本構造と動作原理
1.2トルク・出力とモータ体格の関係
1.3高速化・小型軽量・高効率化の設計条件
2.モータの発熱メカニズム
2.1発熱とは何か?
・エネルギー変換と損失の関係
・発熱が効率・トルク・寿命に与える影響
2.2銅損
・ I2Rによるジュール熱の基礎
・巻線抵抗と電流の関係
・表皮効果・近接効果による損失増加
2.3鉄損
・ヒステリシス損:磁化履歴による損失
・渦電流損:磁束変化による鉄心内のジュール熱
・材料特性・周波数・磁束密度の影響
2.4機械損
・軸受の摩擦損失
・回転子と空気の摩擦による風損
3.モータ冷却設計と熱抵抗低減のポイント
3.1通風・冷却方式の種類と特徴
3.2熱抵抗の計算事例と設計指針
3.3ステータ鉄心・フレーム間の熱伝導と温度の関係
3.4流れの可視化による冷却性能の最適化
4.熱-電磁-騒音シミュレーションを活用したモータシステム製品開発への対策事例
4.1熱・流体・磁場を連携させた設計アプローチ
4.2コイル温度制御による共振点での騒音低減事例
4.3電磁振動を打ち消す小型軽量フレーム構造の工夫
5.質疑・応答
受講形式
会場・WEB
オンラインでご参加の方は、事前にこちらでZoomの接続環境をご確認ください。
スムーズな受講のため、カメラ・マイク・スピーカーの動作をご確認ください。
受講対象
・初心者〜中堅の技術者(基礎〜実務のつながりを整理したい方)
・中堅〜ベテラン(熱・NVH・トルク・信頼性を横断して見直し、課題解決の引き出しを増やしたい方)
・モータ単体またはモータ搭載製品・装置の設計/開発/評価に携わる技術者
・モータ搭載製品・装置の開発/設計/評価に携わり、熱に起因する性能不足・停止・寿命問題を減らしたい方(ユーザー側)
・モータ/ファン/インバータ/減速機などを含む駆動系の選定、冷却・取り付け設計、運用条件設定、保全を担当されている方
・モータの発熱原理を基礎から体系的に学び直したい方
・モータシステム(選定・運用・メンテナンス)の方にも、評価指標の読み方と対策の方向性がつかめる内容です
予備知識
・本講座は、モータに関心のある技術者の方であれば、どなたでもご参加いただけます。
・予備知識は問いません。講義内で必要な基礎から丁寧に解説します。
習得知識
1)モータの構造、回転原理、トルク発生メカニズムを説明できる
2)熱(発熱・冷却)と絶縁(高電圧対応を含む)の設計・評価の基本を理解できる
3)騒音・振動(NVH)の発生要因、評価手法(FFT・次数解析)と設計対策の考え方をつかめる
4)コギング/トルクリップルの評価指標と、低減に向けた設計アプローチを理解できる
5)品質・信頼性評価の進め方と、状態監視/AIによる予兆診断の基本的な考え方を理解できる
6)設計・評価・保全の各場面で、課題整理〜対策立案までの見通しを持って検討できる など
講師の言葉
モータは、家電・産業機械・ロボット・搬送装置・電動車(xEV)など、さまざまな「モータ搭載製品・装置」の中核となる駆動源です。高出力・小型軽量・高効率化が進む一方で、システムとしての要求(連続運転、環境温度、静音性、保守性)も厳しくなり、「熱」は性能・信頼性・寿命を左右する最重要課題になります。期待通りの性能が出ない、永久磁石が減磁する、絶縁が劣化する――こうしたトラブルは、モータ単体だけでなく、冷却・取り付け・運用条件を含む“熱のマネジメント”不足に起因することが少なくありません。
本講座では、モータ内部で「なぜ」「どこで」「どれだけ」熱が発生し、どの経路で外部へ逃げるのかを、物理原理に基づいて体系的に解説します。銅損・鉄損・機械損といった損失メカニズムを押さえたうえで、温度予測・冷却方式の選定・取り付け/筐体側の放熱設計・運用条件の見直しに役立つ“考え方”を整理します。さらに、熱-電磁-騒音を連携させたCAE活用事例や、モータシステム製品開発での対策技術も紹介し、設計部門だけでなく装置・製品側の技術者が現場課題を再発防止につなげるための視点を提供します。