受講概要
プログラム
1.はじめに
2.蓄電池を含むクリーンエネルギーの研究開発と社会情勢について
(1) 脱炭素社会の実現に向けた様々な取組み
(2) グリーントランスフォーメーション(GX)関連の動き(国や自治体)
(3) 日本政府のGX実行会議
(4) GX2040ビジョン
3.電力貯蔵用定置型蓄電池の位置づけ
(1) 電力貯蔵技術の必要性
(2) 再生可能エネルギーとそれを活用したエネルギーシステムとの相性
(3) 定置型蓄電池の種類と特徴
(4) 電力貯蔵用定置型蓄電池としてどの特徴が優位なのか?
4.レドックスフロー電池とは?その原理と応用
(1) 化学電池の基本的な考え方(酸化還元反応)
(2) 他の定置型蓄電池とレドックスフロー電池との比較
(3) レドックスフロー電池の原理
(4) バナジウム系レドックスフロー電池(VRFB)の原理
(5) バナジウム系レドックスフロー電池(VRFB)の運用面での特徴
(6)「電解槽型と呼ばれる」レドックスフロー電池と燃料電池、化学センサ
(7) 「レドックスフロー」+「電池」という名称について~意外と分かりにくい?~
(8) バナジウム系レドックスフロー電池(VRFB)の応用利用
(9) バナジウム系レドックスフロー電池(VRFB)の電池部材構成と開発要素
(9-1) 電解液
(9-2) セルスタック
(9-3) 電極
(9-4) 双極板
(9-5) 隔膜と電解液のクロスオーバー現象
(9-6) フレーム
(9-7) 送液ポンプ
(9-8) 配管
(9-9) モニタリングセル(充電深度管理用)
5.定置型蓄電池としてのレドックスフロー電池の活用方法
(1) MPPT(Maximum Power Point Tracking)機構を取り入れた活用方法
(2) 複数の入出力に対応した活用方法
(3) 太陽光や風力発電の入力特性
6.本学におけるレドックスフロー電池の応用実証の実例
(1) 非常災害時を想定した応用実証
(2) 小型・中型クラスのレドックスフロー電池開発に向けた応用展開
7.まとめと今後の展望
8.質疑・応答
受講形式
WEB受講のみ
※本セミナーは、オンデマンド受講となります。お申込み後、10日間繰り返し視聴可能です。
※2025年3月に収録した内容となります。
オンラインでご参加の方は、事前にこちらでZoomの接続環境をご確認ください。
スムーズな受講のため、カメラ・マイク・スピーカーの動作をご確認ください。
受講対象
・定置型蓄電池に関する研究開発に取り組もうとお考えの方
・レドックスフロー電池の知識を身につけたい方
・再エネと定置型蓄電池が連動した電力需給システムに興味がある方
・レドックスフロー電池について自社製品への活用について検討されている方
・レドックスフロー電池の仕組みやシステム構成、原理から修得されたい方
・自動車、家電、設備、その他関連企業の方
予備知識
特に必要ありません。
習得知識
1)定置型蓄電池の役割や将来についての知識
2)レドックスフロー電池の基礎や運用面の知識
3)レドックスフロー電池の部材ごとの開発要素に関する知識
4)レドックスフロー電池の活用方法についての知識 など
講師の言葉
地球温暖化への対策として数多くの検討が進められる中、化石燃料への依存から脱却するため、より野心的に行動する「グリーントランスフォーメーション(GX)」時代が到来しました。これは、二酸化炭素を排出しない様式でエネルギーを獲得し、それを利用する社会を実現させることで、将来世代の利益に繋げることを目指すものです。加えて、国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)では、パリ協定で掲げられた目標達成に向けて世界全体の進捗状況を評価する「グローバル・ストックテイク(GST)」が実施されています。また日本では、第7次エネルギー基本計画の策定に向けた検討も進行中です。
こうした背景から、電力系統において再生可能エネルギーを安定かつ有効に利用するための技術の一つとして、「定置型蓄電池の充電と放電の動作」が注目されています。これは、発電・送電・需要の各フィールドを幅広くカバーできる手段です。
本講演では、高い安全性と長寿命を持つレドックスフロー電池に焦点を当て、エネルギーに関する社会情勢やレドックスフロー電池の基礎、開発要素、さらには本学での応用実証の事例について紹介します。